今月の臨床 抗癌剤
効果増強法
14.併用投与法—5FUとMTX, Cell cycleを含めて
佐々木 茂
1
Shigeru Sasaki
1
1日本医科大学産婦人科
pp.1203-1205
発行日 1992年10月10日
Published Date 1992/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901035
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抗癌剤の使用に際しては,かつては単独投与か併用療法かという議論が交わされたこともあった。もちろん単剤にての著効例もあって単剤による化学療法も無視できないが,今日では作用機序の異なる薬剤を組み合わせることによって相乗効果を期待し,また交叉耐性の発現を抑えて高い奏効率を得ようという試みが主流であることに異論はないと思う。とくにシスプラチンの登場以来,シスプラチンを中心とした多剤療法の切れ味の鋭さはだれもが認めるところである。しかしなお遠隔成績においてはけっしてよいとは言えない現状にある。現在使用されている抗癌剤はすべて細胞増殖阻害剤であるので増殖する細胞には致死的な影響を与えることができるが,増殖していない細胞にはほとんど効果がない。そこで,本稿では与えられたテーマに従ってcell cycleについて概説したあと,最近消化器癌領域で話題になっているMTX/5FU時間差投与法について述べてみたい。
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