連載 新しい「医療者像」を探る・1【新連載】
英雄としての医療者―医療者は英雄視されることを望んでいるのか?
鷹田 佳典
1
1日本赤十字看護大学さいたま看護学部医療社会学
pp.82-91
発行日 2024年2月25日
Published Date 2024/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663202208
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この連載では6回にわたって、「新しい医療者像」について考えていきたいと思います。とても大きなテーマで、どこから論じていいのか雲をつかむようなところがあるのですが、読者のみなさまと一緒にこれからの医療者像をどのように描いていけばよいのかについてじっくりと探っていければと思います。
まず簡単に自己紹介をさせていただきます。私は現在、看護大学で一般教養科目の社会学を担当する教員をしています。社会学のなかでも私が専門にしているのが「医療社会学」と呼ばれる領域です。具体的な研究テーマはいくつかありますが、ここ10年ほど、私が中心的に取り組んでいるのが、「患者の死をめぐる医療者の経験」に関する研究で、これまで70名近くの医療者(主に小児科の看護師と医師)に聞き取り調査を実施してきました。こうした研究を始めようと思ったのは、1つには、従来の医療者像に対する漠然とした違和感があったからですが、そのことも含め、これまでの医療者調査で得られた知見については、この連載のなかで適宜紹介できればと考えています。
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