レポート
コアラカフェ®ファシリテーター養成講座―がんの親をもつ子どもを支え、その子らしさを受け入れる安全基地を築く
寺田 由紀子
1
,
『看護教育』編集室
1帝京大学医療技術学部看護学科
pp.54-59
発行日 2024年2月25日
Published Date 2024/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663202203
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子どもの安全基地となるコアラカフェ®
コアラカフェ®は、大切な大人(以下、大人)ががんに罹患したことを知らされている学童期(小学生)の子どもと大人を対象に実施しているサポートプログラムです。子どものなかには非常に多感な子もいて、お母さん、お父さんが「がん」という病気になったという出来事は、その子の情緒や精神面、日常生活、そして親との関係性に多くの変化をもたらします。そもそも、「がん」という病気そのものや治療法の知識が及んでいない場合も少なくないはずです。
そのような子どもの安全基地となるのが、このコアラカフェ®です[表1]。月に1回、帝京大学で開かれ、最近ではリモート、オンラインでも開催しています。コアラカフェ®では、活動(遊び)のなかで、子どもがありのままの姿をみせ、その子のもつ感情を自由に表現し、それを大人が見守ります。ちなみにコアラとは、「子どもの気持ちを大切にする」「安心・安全な場所をつくる」「ライフ(子どもの生きるを支える)」の頭文字から名づけられ、子どもをやさしく抱くコアラのイメージも込められています。
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