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はじめに
読者の皆さん,こんにちは,渡辺大地です。全国で両親学級の講師を務めており,2016年7月号から2018年12月号まで『助産雑誌』で両親学級に関する連載をしていましたので,知っている方もいらっしゃるかもしれません。
その後1年余りご無沙汰になりましたが,その間日本では,現役の大臣が育児休業(以下,育休)を取得したり,大臣も育休を取るべきかと議論になったり,男性公務員の育休取得を促す制度が検討され始めたりと,男性の育児参画に関するニュースがたびたび報道されました。
子どもの保育園の送り迎えをしていても,ここ2〜3年で父親の送り迎えが一気に増えたなと感じます。以前は,朝の送りには父親を見掛けることがあっても,お迎え時は母親しか見ないことがほとんどでしたが,最近はお迎えに来る父親も少なくありません。過渡期とはこういうことなんだなあと実感します。男性の育休義務化を目指す議員連盟では,両親学級などの教育を含めた男性育休を提言しているそうです。出産や子育ての領域は今後ますます,父親抜きで語れないものになりそうですね。
さて,皆さん,両親学級はいかがでしょうか? 父親にも受け入れられやすい学級になっていますか? 私の両親学級を見学された方からよく「男性講師という点でパパの食いつきが違いますよね」と言われます。拙著『ワタナベダイチ式! 両親学級のつくり方』にも書きましたが,私が男だから父親から理解されやすいというのは,ないものねだりのような気がします。
私だって,出産経験があればもっと出産の話をリアルに語れるかもしれませんし,助産師資格を持っていれば医学的な話もできるかもしれません。ギターが弾ければ弾き語りもしたいですし,料理が得意なら離乳食教室で稼げるかもしれません。でも,私は私なので,ないものは諦めて,あるものを武器にするしかないんです。たまたま男に生まれたというだけのこと。父親から理解されやすいように見えるとしたら,それは,そのための努力や工夫をしているんです。
その一つが,アイスブレイクです。両親学級の中で行うアイスブレイクは,私にとって受講者(女性も含め)との距離を縮める重要な役割を果たしています。皆さんはアイスブレイクを取り入れていますか? もしまだ学級にアイスブレイクを導入していなければ,ぜひチャレンジしていただきたいと思います。
師長と先輩全員の合意を得ないと勝手なことはできない,と悩む方もいらっしゃいますか? では,学級に組み込む前に,まずはスタッフ間の勉強会や定例ミーティングにアイスブレイクを使ってみてはどうでしょうか? 今年(2020年)2月号の「この本,いかがですか?」のコーナーで書評を書かせていただいた『学生・新人看護師の目の色が変わる アイスブレイク30』*がうってつけです。むしろ,この本を読んでいただければ,私のこれから始まる連載など不要かもしれません(笑)。
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