特別記事
看護系大学教員に必要とされる要件としてのコンピテンシーを追究する
佐藤 みほ
1
,
藤村 朗子
2
,
佐藤 菜保子
3
1横浜市立大学医学部看護学科
2東京医療保健大学立川看護学部看護学科
3福島県立医科大学看護学部
pp.206-213
発行日 2023年4月25日
Published Date 2023/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663202077
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はじめに
現在、看護に関連した知識や技術、思考力は、医療機関のみならず地域社会のさまざまな場面で活用され、看護学を学修した人材の活躍の場は急速に広がっている。看護学の可能性は多様である。看護学に寄せられる社会からの期待も高く、看護系大学における看護基礎教育にも質の向上が求められている。そこで、看護基礎教育現場では多彩な能力を有し、資質の高い教育人材の確保に尽力している。
欧米では看護基礎教育の質の向上をめざし、1990年代後半より看護教員の役割や責任、看護教員に求める能力やスキルに関する議論が急激に活発となり、看護教員の要件を精緻化する動きが高まった1,2)。この動きに伴い、看護教員になるための諸要件(学位、臨床経験年数、教員資格試験の合格など)を設けたり、看護教員に求める能力、スキルなどをコンピテンシーとしてまとめ、提示している国も多く存在している3)。
社会情勢や時代とともに変化する人々の健康にまつわるニーズや健康課題、医療福祉健康にかかわるシステム構築、制度設計等に柔軟に対応できる看護学学修者の育成が、現代の看護学教育には求められている。こうした高い能力をもつ看護学学修者育成のためには、看護教員の能力も一定程度保証されるべきであり、常に洗練されていくことが重要である。
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