特別記事
「予後1日」を超えて―脳死臓器移植の体験から看護学生へ伝えたいこと
相澤 美恵子
pp.362-367
発行日 2022年6月25日
Published Date 2022/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201945
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これまで私は、終末期ケアを研究領域とし、ケア実践と研究、また教育をしてきた。人生の最期にどのように寄り添うのかを考えるためにグリーフケアも勉強し、「死に逝く人」の看護を少しは理解しているつもりだったが、これは傲りだった。自分の死を意識して生きる日々は、生きている喜びと同時に、いつこの命が絶えるのかという不安にさいなまれる想像を絶した苦しみと恐怖の時間だった。
移植目的で転院した大学病院でも、「1か月しか生きられない」と宣告されたが、懸命な治療の結果、脳死臓器移植によって生きることができた。臓器移植までの待機期間の不安と苦しみは、想像を絶していた。
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