特集1 [特別対談]看護教育のこれからを語る
若い先生たちへ伝えたい、看護教員という仕事の魅力
任 和子
1
,
竹熊カツマタ 麻子
2
1京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻
2筑波大学医学医療系国際看護学
pp.26-30
発行日 2022年2月25日
Published Date 2022/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201885
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コロナ禍での体験で得たもの
任 私たちは今、困難な時期を経験しています。私の担当している成人看護学では、2020年度、実習を完全オンラインで行いましたが、2021年度は工夫しながら臨地で実習を行いました。講義形式の授業も、オンライン、対面とさまざまな形で試行錯誤していました。この経験から私たちは何を得て、どう変わっていくのか、未来を語る機会を得たといえると思います。たとえば授業の観点では、他の先生の講義を聴く機会も増えました。とてもわかりやすい講義をする先生が多くて、自分の講義の何がわかりにくいのか、どのようなスライド資料にすればいいのか、とても勉強になりました。またLMS(Learning Management System)を使うようになり、学生の学習の経過をチェックするなど、今までは、紙ベースでやっていたことからの転換が進むなど、実際にとてもたくさんのことを得たと思います。
竹熊 このコロナ禍で、教育、特に日本の看護教育の方法論について、パラダイムシフトがおこりはじめたのではないか、と思います。オンラインや実習のとらえ方について、大きな流れの変換があるなかで、どういう教育をしていくか、問われました。たとえば実習では、今までは、学生は訪問看護ステーションに行って、訪問看護師さんとともに訪問した方を1つのケースとして、看護過程を展開する、そして教員は学生がどういうふうに理解をして展開していくか、きめ細かく見て評価する形でした。実習中については、どちらかというと訪問看護師さんにお任せしていたところがあります。
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