特集 好きになる呼吸器学―珠玉の症例集から
特別寄稿 ~思い出に残る症例・師匠・出会い・哲学~
若い先生方へ贈る言葉
藤田 次郎
1,2
1おもと会グループ特別顧問
2琉球大学名誉教授
キーワード:
ミラクル・ツインズ
,
師匠・出会い
,
哲学
,
沖縄の医療
Keyword:
ミラクル・ツインズ
,
師匠・出会い
,
哲学
,
沖縄の医療
pp.961-964
発行日 2022年11月1日
Published Date 2022/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika130_961
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思い出に残る症例
40年以上の医師人生で思い出に残る症例は多数ある.しかし時間が経過するとどんなに印象的な症例であっても記憶から消えていくものである.それを消さない有効な方法がある.それは症例報告を書くことである.日本語であっても英語であってもいったん活字化すると消えることはない.画像所見などもフィルムでの保管は困難であるものの,論文化すると消えることはない.私自身が論文化した症例はすべてが思い出に残る症例であるものの,最も思い出に残る症例は「ミラクル・ツインズ」である.
『ミラクル・ツインズ!』というのは,実際の本のタイトルである(イサベル&アナベル・ステンツェル(著),大貫昌子(訳),岩波書店,2009年).この本は米国で出版された『The Power of Two, A Twin Triumph Over Cystic Fibrosis』(2007年)という本の和訳である.いずれの本にも「藤田医師」として私が登場している.
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