増大号特集 特集1 ルーブリックの活用
卒業生像に向かうための長期的ルーブリック―KYO2-Career Rainbow
副島 和美
1
1京都第二赤十字看護専門学校
pp.727-737
発行日 2021年8月25日
Published Date 2021/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201784
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はじめに
近年、卒後教育も含めて看護教育ではリフレクションが導入され、リフレクションには他者との対話も重要とされている。リフレクションでの対話を促進するには、学生と目標が共有できることが必要であり、心理的に安全と感じる環境にいることも影響するといわれている。私たち看護教員のチームもリフレクションを重視して日々の教育にあたっている。
京都第二赤十字看護専門学校(以下、本校)では2017年にディプロマ・ポリシー到達のための長期的ルーブリックとして、卒業生像に向かうルーブリック(KYO2-Career Rainbow)を作成し、学生とともに活用してきた。この長期的ルーブリックの作成に先駆けて、私たちは、2014年から実習や講義(基礎看護学技術演習・実技試験、看護過程、事例研究)のルーブリックを導入し運用していた。このルーブリックを用いてリフレクションを行うといった実践を積み重ね、学生の反応も自己評価がしやすいなどの手応えを得ていた。
しかしながら一方で、ルーブリックなどを用いた実践が、めざす卒業生像と、どうつながるのかがわかりにくいとも感じていた。そこで、2009年から少しずつ導入してきたツールを本校の特徴的な教育方法「京二教育メソッド」として体系化し、そのなかに大きな柱として3年間を通じて育成したい能力を表わした長期的ルーブリックを、新しく位置づけることにした。
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