特集 工夫が光る! 在宅看護演習・実習
人がその地域で暮らすことを学ぶ工夫―在宅看護シミュレーションシステムとライフストーリー演習
春日 広美
1
,
太田 浩子
3
,
遠山 寛子
5
,
岩田 尚子
1
,
久長 正美
1
,
ブルーヘルマンスR.
2
,
稲葉 竹俊
4
,
松永 信介
4
,
田所 良之
1
,
田中 貴大
1
,
和田 智子
1
1東京医科大学 医学部看護学科
2東京医科大学 医学部医学科
3神戸大学大学院 保健学研究科 博士課程後期課程
4東京工科大学大学院 バイオ・情報メディア研究科
5武蔵野大学 看護学部
pp.1004-1012
発行日 2020年11月25日
Published Date 2020/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201605
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
在宅療養者の生活の理解に重点をおいた学習の提案
何らかの健康問題があっても、人々が住み慣れた地域でその人らしい生活が送れるように支える看護の実践が進められている。そのため、看護学生には医療モデルではなく生活モデルとして看護の対象を理解する学習が求められている。今回の指定規則改正で、「在宅看護論」の位置づけは統合分野から基礎看護学に続く位置へと移り、「地域・在宅看護論」へと名称も変わった。これは、地域で暮らすすべての人が看護の対象であり、ここでの対象の理解は、基礎看護学とならび、各専門領域の看護の基盤になったと考える。カリキュラム改正の時期にあって、本稿では、主に「在宅看護論」の部分として、地域で暮らす人々でもある在宅療養者(以下、療養者)の生活の理解を促す教育について紹介したい。
療養者の理解といっても、いまだ自身の生活経験も乏しい看護学生にとっては、療養者の生活をイメージするのは難しい。療養者の自宅という環境のなかで、生活をどのように理解するのか、看護に必要な情報とは何で、それはどのように収集するのか、また、アセスメントはどう考えるのか。のちの在宅看護実習での学習を最大に活かすために、演習では可能な限りリアルな学習機会を提供し、学生のレディネスを高めておくことが求められる。
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.