連載 つくって発見! 美術解剖学の魅力・21
縦隔―肺の間には管がたくさん
阿久津 裕彦
1,2
1順天堂大学解剖学生体構造科学講座
2東京造形大学彫刻専攻領域
pp.715
発行日 2019年9月25日
Published Date 2019/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201314
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縦隔とは、文字どおり左右の肺の間を「縦に隔てる」領域のことです。ここには、心臓のほかに大動脈や食道、気管などの太い管が収まっています。縦隔の左右は肺で閉じられており、下にはドーム状の床のように横隔膜があります。前と後ろはそれぞれ胸椎と胸骨で閉じていますが、上は閉じておらず、胸部と頭部を結ぶ血管や気管、食道などが出入りします。
今回は、縦隔内の太い管状の器官を作ります。まずハート形の心臓を作り、斜めに傾けて置きます。Y字形の肺動脈を作り、心臓に付けます。続けて、まっすぐな粘土柱を2本用意し、食道と気管とします。食道は断面が楕円の一本棒にします。気管は上下逆のY字形にして、分岐部の高さは肺動脈の分岐部と合わせます(①)。
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