特集 実習でともに育つ学生と教員―学生・実習指導者・教員の「それぞれのリアリティ」
学生の存在を、ともに学び育つ仲間としてとらえ直す
古都 昌子
1
,
鈴木 佳代
1
12018年度日本看護学教育学会交流セッション
pp.264-267
発行日 2019年4月25日
Published Date 2019/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201211
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看護職生涯発達学の視座からとらえた学生
私たち(表1)は、看護職生涯発達学領域で学んだ修了生の仲間です。看護職生涯発達学は「基礎教育の学生を含めて看護師が生涯にわたり発達し続けたことを支援する学問」1)であり、2004年に東京女子医科大学大学院看護学研究科において佐藤紀子先生によって立ち上げられました。看護職生涯発達学領域で学び、博士前期課程、博士後期課程を修了した仲間は、臨床、教育などのフィールドで生涯発達をとげる看護職の多様なありようにまなざしを向けて活動しています。学生を含めたすべての看護職が、育ち合い、自分らしく看護職としてのキャリア形成をしていくことは切なる願いの1つです。
看護職生涯発達学において、「学生を含めたすべての看護職」という点は重要です。雑駁な理解かもしれませんが、近接領域と比較すると、それぞれのとらえの特徴があるのではないでしょうか。看護教育学の視座からは、学生は看護学を学ぶ途上にある人であり、教える-教えられる関係において、学習目標の達成をめざして教えられ、学ぶ存在であるとして、また、看護管理学の視座からは、学生は未来の看護職のひとり、すなわち組織構成員として施設のミッション達成をめざす一員となっていく存在であるととらえられるのではないかと考えました。
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