病院長プロフイル・50
都立松沢病院長 林 暲先生
pp.828
発行日 1957年12月1日
Published Date 1957/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201297
- 有料閲覧
- 文献概要
先年,現東大教授内村祐之博士が,松沢病院の院長職を兼任中の頃「松沢病院は都立の故を以て国内では屡々第二級の扱いを受けるのが,一歩足を国外に踏み出すと,世界の松沢病院であり,世界の精神病学界では第一流に評価されている」と述べて記念式の挨拶としたことがあつた。
東京都内5,300有余の精神病床のうち,2割に垂んとする974床を占める松沢病院は,その規模の大なるを以て貴しとされるのではない。松沢病院は,その前身巣鴨病院時代からの斯界の名門であり,呉秀三,三宅鉱一,内村祐之の諸教授の学問の牙城であり,巣鴨時代には,院内に東京大学の精神病学教室が併設さかていた。多くの人材が巣鴨・松沢から斯界に送り出されたことは蓋し偶然ではなく,松沢の伝統はその源を巣鴨に発する。
Copyright © 1957, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.