連載 すべって,転んで,立ち上がるために 〜看護職生涯発達学から〜・6
小児病棟の中堅看護師が仕事を続けてきた原動力
内藤 茂幸
1
,
佐藤 紀子
2
1北里大学病院
2東京女子医科大学
pp.773-779
発行日 2017年9月25日
Published Date 2017/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200833
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退職者への想いと看護職生涯発達学との出会い
看護職生涯発達学に出会う以前,私は小児病棟に10年以上所属し,主任としての役割を担っていました。毎年,次年度の退職者がわかってくる時期になると,何となく落ち着かない気持ちになっていたように思います。
「小児がんをもっと専門的に勉強したくて」「結婚を機に違う土地に引っ越すんです」「地域医療に興味があって訪問看護をやってみたい」など,退職の理由はさまざまであり,それぞれが描くキャリアに向かって進んでいるスタッフには声援をもって見送れますが,「なんだか疲れました……モチベーションが上がらないんです」というような理由を聞いたときには,自身の力不足を感じていました。ましてや,それが長年苦楽(?)をともにしてきた病棟の中心的な存在であるスタッフの口から聞かれたときには,「なぜ?」という想いや,悲しさや悔しさ,そして,主任として組織に所属している看護師を支援するとういう役割を発揮できなかった自分への不甲斐なさなど,いろいろな感情が交錯したのを覚えています。
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