連載 すべって,転んで,立ち上がるために 〜看護職生涯発達学から〜・2
看護職であるがゆえの死の悼みかたを求めて
小川 美咲
1
,
佐藤 紀子
2
1東京慈恵会医科大学附属病院
2東京女子医科大学
pp.386-391
発行日 2017年5月25日
Published Date 2017/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200746
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ある看護師の休職から私自身の記憶へ
「あの患者さんが死んだのは“私のせい”なんです。それから看護が怖くて,病棟に行けなくなって……」
外来検査室で出会った,復職して間もない2年目の看護師が教えてくれた休職の理由です。彼女は急性期病棟で働いていたとき,昼休憩中に自分が担当するチームの患者さんのモニター異常に気づくことができず,そのまま亡くなってしまったという「患者の死」を体験していました。その話を聞いたとき,「私だけじゃない」とどこか安堵したこと,そして「必要以上に傷ついてしまう看護師を何とかしたい」と考えたことを覚えています。
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