特集 学生のセクシュアリティに向き合う
現場に出る前にセクシュアリティの視点の確立を
平田 研人
1,2
1天理よろづ相談所病院
2全国男性看護師会
pp.184-189
発行日 2017年3月25日
Published Date 2017/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200701
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
臨床現場の看護師のセクシュアリティに関する認識
看護師という職業は,患者のセクシュアリティと深くかかわる仕事であり,その対応には細心の注意を払う必要がある。セクシュアリティに関して患者の考えや求める対応は千差万別であり,正解もなければ,同性の看護師が対応すればよいといった単純なことでもなく,看護師には患者をあらゆる方向からアセスメントし,臨機応変に対応する力が求められる。
わが国の臨床現場の看護師のセクシュアリティに対する認識をみると,今なお性に関する話題をタブー視したり,介入することに躊躇したりする傾向があることは否めない。また,現任教育においても積極的に教育を実践している施設が少ないことは容易に推測できる。そのため,セクシュアリティを考慮した看護は,臨床現場で自らが直面した際,それぞれの考えや判断で対応されることが多い。そして,看護師はその経験を振り返り,考え学習しながら次の場面につなげていると思う。しかし,新人看護師は,その経験も少なく,そうした問題に直面しても対応に困ることも多く,看護基礎教育を充実させることが必要である。
Copyright © 2017, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.