特集 性科学の水準—第12回世界性科学学会の業績から
中国におけるセクシュアリティ
胡 霞
1
1西北政法学院
pp.1001-1006
発行日 1995年12月25日
Published Date 1995/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901373
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性研究のあゆみ
第12回世界性科学学会(12 th World Congress of Sexology)で「中国古代性文化」という展示会が催され,中国の性文化の歴史を語る工芸品や書籍・絵画などの実物が展示され,多くの参加者の関心を呼んだ。
悠久な歴史を持つ中国では,その昔性文化も輝かしかった。13世紀前から,経験的な性学が「房中術」として医学書に編さんされ,性の心構えや技術などを教えてきた。これらの性書のねらいは,子を産むという道義の基本を第一とし,不老長寿という健康法を第二としたものである。唐の時代まではこれらの性書がたくさん作られたが,宋の時代以後,性否定思想が支配的になり,数多くの性書の原典も見られなくなり,性研究も当然途絶えた。
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