連載 学生なら誰でも知っている 看護コトバのダイバーシティ・2
傾聴
木村 映里
pp.83
発行日 2017年2月25日
Published Date 2017/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200681
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こんにちは。学生のときに教わった言葉と臨床でのギャップについての連載,2回目のテーマは「傾聴」です。
私の病院は看護記録の様式にフォーカスチャーティングを採用しており,「不安の訴えあり」あるいは「治療に関する感情表出あり」とFocusのついた看護記録がよくあります。1年目に読んで不思議に思ったことが,Dataには患者さんのお話を,ご本人の表情を交えながら綿密に書いているにもかかわらず,Actionに関しては「傾聴する」の一言でおしまい,という看護記録の多さです。「患者さんが不安を訴えてきたら,『そうなんですね』『お辛いですね』と,相手の話を否定することなく傾聴しなさい」と学生のときに教わったものの,実際現場に入り,患者さんのお話を「そうなんですね」と聴いているだけでコミュニケーションが成り立つわけも当然なく,先輩方が患者さんの不安にどう対応しているのかをいちばん知りたいときにガツガツと読んだ看護記録での先輩方の対応が,「傾聴する」の一言でしたので,これじゃわからん……と溜息をついたことをよく覚えています。
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