連載 外来診療に差をつけるコミュニケーションスキル・3
傾聴は人のためならず:スムーズな診療のために
菅野 圭一
1
1渋川市国民健康保険赤城北診療所
キーワード:
傾聴
,
うなずき
,
上手な沈黙
Keyword:
傾聴
,
うなずき
,
上手な沈黙
pp.2085-2089
発行日 2009年12月10日
Published Date 2009/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104251
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事例紹介●忙しい時に突然来院した話の長い患者さん
今日は午後から講演会に出かける予定があり,午前中の外来を早めに終了させなければならない.運よく初診や救急の患者さんも少なく,順調に外来は進行していった.11時30分には,患者さんもあと3人しか残っておらず,そろそろ終わりが見えてきた.
ところがそんな時,いつも訴えが多く,話が長くなりやすいAさんが,予約外で「明日飲む薬がない」と慌てて外来に駆け込んできた.いつもなら諦めてじっくり話を聞くところだが,そうすると講演会に間に合わないかもしれない.そんなふうに思ったら焦ってしまい,つい話が途切れたところで患者さんの話を遮って,「お話からすると,いつもとあまり変わらないようだから,同じ薬を出しておきますね」と切り出してしまった.すると,「そう言えば,今の薬はずっと飲み続けても大丈夫かしら?」「最近,指のしびれも心配だし……」と,いつにも増していろいろな相談事が出てきてしまった.
どうにか講演会にはぎりぎり間に合ったが……
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