特集 学生の答え,ちゃんと待てますか 今こそ知りたいファシリテーションの心構え
答えはみんなのなかにある 対話型鑑賞法を通して
伊達 隆洋
1
1京都造形芸術大学芸術学部アートプロデュース学科
pp.1072-1075
発行日 2015年11月25日
Published Date 2015/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200381
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近年,美術館や学校教育などで,「対話型鑑賞法」と呼ばれる美術鑑賞の取り組みが広がっています。アート作品を鑑賞する際に,作品にまつわる情報や知識のみに当てはめるのではなく,鑑賞者自身が作品をみて気づいたことや感じたこと,考えたことなどをグループで話し合うことで作品にアプローチする鑑賞法です。美術館のガイドや教師が作品解説を行う従来の知識教授型のスタイルとは異なり,鑑賞や対話を促すファシリテーターを介して鑑賞者自身が作品の意味を生成していく点がその特徴といえるでしょう。
もともと美術の文脈で生まれた対話型鑑賞法ですが,この取り組みは複合的な能力向上に資することがわかっており,現在は医療・看護教育や社会人教育などの分野でも応用が試みられています。ここでは対話型鑑賞法の紹介をしつつ,実践例を交えながらこうした取り組みの可能性について考えてみようと思います。
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