なぜ看護政策を学ぶのか・2
看護政策の実際—特に看護職員の資質と看護サービスの質の向上に焦点を当てて
田村 やよひ
1
1厚生労働省医政局看護課
pp.126-130
発行日 2004年2月25日
Published Date 2004/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200160
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はじめに
超高齢社会にあっても,国民が安心して健康に暮らしていけるようにするためには,社会システム全般にわたる変革が求められている.看護職員にとっては,保健,医療,福祉システムの改革は仕事のしかた自体に大きな影響を及ぼす.厚生労働省では平成9年から医療制度の抜本改革をテーマに多くの改革に取り組んできたが,これらの改革は,とりわけリーダー層にとっては,目まぐるしい対応を求められている状況であろうと思われる.
看護政策の重要性については,先月号の大室論文で十分に述べられているので,本稿では看護政策を実際に担当している立場から,ここ1,2年の主要な看護政策課題の展開について述べることとしたい.
ところで近年では,看護活動の場やそこでの看護の機能が拡大しているため,「看護政策」という概念も拡大しているように思われる.たとえば,病院における医療安全対策の主要な担い手であるリスクマネジャーの配置,介護保険制度におけるケアマネジャーの能力開発,児童虐待防止対策における保健師や助産師の活動のあり方の課題なども,看護政策の一環として説明することも不可能ではない.
しかしながら紙幅の関係もあり,本稿では比較的狭い看護政策に絞ることとすることをまずお断りしておこう.
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