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「日本科学史学会生物学史分科会」夏の学校に参加して─科学史・医学史研究のアーカイブズ活動の課題
鈴木 紀子
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1東京医療学院大学看護学科新設準備室
pp.64-67
発行日 2015年1月25日
Published Date 2015/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200082
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はじめに
2011年の公文書管理法施行に伴い,全国の自治体や大学などにおいてアーカイブズの整理が進められている。『生物学史研究』(No.91, 47, 2014)の定義ではアーカイブ(archive)とは,重要記録を保存・活用し,未来に伝達することであり,その文書や史料・美術作品などの保存を目的とした施設や仕組みがアーカイブズである。
2014年7月4日(金)から6日(日)までの3日間,NPO法人宮城歴史資料保存ネットワークの協力のもと,「日本科学史学会生物学史分科会」夏の学校(以下,「夏の学校」)が東北大学川内キャンパスと仙台市民会館で開催された。今年度の「夏の学校」の主催目的は「科学史・医学史研究におけるアーカイブズに関する取り組み(資料の収集・保存・整理・公開)をふまえ,今後よりよいアーカイブズを構築してくための議論を行う」ことであり,看護歴史研究をライフワークにしている私も発表させていただいた。
初日は,エクスカーション(遠足)として,宮城歴史資料保全ネットワークの被災資料のクリーニング作業を体験する企画も組まれていた。2・3日目の報告会(写真1)では,アーキビスト(資料館職員)と医学史・科学史研究家,そして歴史研究家が参加して意見交換をするという,大変楽しく,また学びの多い会であった。多くの看護教員の方々にも興味をもっていただければと思い,報告させていただきたい。
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