相手を想う観察の目

　「敦子，聞いてみて！血液の音が聞こえるで！」と父がシャント部を私の耳に近づけて聞かせてくれたことが昨日のように感じられる。

　私は小さい頃から，お父さん子で，父のそばが安心できる場所だった。私が小学5年生ごろ，父は慢性腎不全となり人工透析を8年ほど受け，その後，母の片方の腎臓を移植して2年ほどは状態も良かった。