連載 看護管理者としてよりよく生きるために 倫理課題とどう向き合うか・3
気づく人,気づかない人
勝原 裕美子
1
1聖隷浜松病院
pp.606-611
発行日 2015年7月10日
Published Date 2015/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686200228
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倫理課題に向き合うためには,そもそも起きている現象が“倫理的に変だ”ということに気づいていなければならない。気づくということは,①“何か変だ”と感じるレセプターの感度(倫理的感受性)と,②“やっぱり変だ”と確認する力(倫理課題の認識)の双方が整ってできることだと思う(図1)。
倫理的に“何か変だ”と感じた後,“やっぱり変だ”と認識するまでの流れは一瞬かもしれないし,“やっぱり変だ”と認識するまでには,同僚に確認してみたり倫理綱領と突き合わせてみたりして,時間をかけないと分からないこともあるだろう。それでも,気づくことができれば,次に進むことができるはずだ。しかし,気づくことができなければ,その人のいる社会において,誰かが不平等,不公平,不安,不利益といった「不」のつく状況に甘んじねばならないことになる。
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