特集 移動介助技術の指導方法─ボディメカニクスを実践に活かす
ボディメカニクスを意識化した看護動作の教育活動
水戸 優子
1
1神奈川県立保健福祉大学
pp.1080-1084
発行日 2013年12月25日
Published Date 2013/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102571
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ボディメカニクスだけでは安全・安楽な看護援助はできない
日本の看護教員,特に基礎看護学を担当する教員の多くが,ボディメカニクスを信奉し,演習や実習ごとに「ボディメカニクスを使って!」と,学生の腰のあたりをポンと叩きながらに指導しているように思う。しかし,ボディメカニクスはあくまでも原則であり,具体的な身体の使い方を示すものではないので,実は,学生には身体の使い方のポイントが伝わっておらず,よい看護動作の習得には至っていないことが多いのである。
このように言う筆者も以前はボディメカニクス信奉者であり,あいまいな知識のなかで,ボディメカニクスに適った身体の使い方は看護の「技」に匹敵すると考え,患者の安全・安楽を保持するとともに,看護者の安全・安楽が守られるものと思い込んでいた。そして,複数人で看護援助を行うことや用具,機器を用いることは看護職の恥のように考えていた。
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