特集 スマホ時代のリスク管理―情報リテラシーを育みトラブルを防ぐ
基礎教育で教えなければならない情報リテラシー
中山 和弘
1
1聖路加看護大学
pp.550-559
発行日 2013年7月25日
Published Date 2013/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102435
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
いつでもどこでも情報
2010年,イギリスで,ある看護師がFacebookに投稿された友人の2歳半の女の子の写真を見て,眼のがん(網膜芽腫)を発見し,転移を防げたというニュースが流れた1)。翌年には,東日本大震災が発生し,筆者は,この災害時のケア情報が誰かに届いてくれればという思いを込めてツイートし続けた2)。数日後,宮城県の保健師の方から被災者の健康維持また災害看護のサイトを教えてほしいとメッセージが届き,情報提供した。その数週間後には,サイトが役に立ったお礼と復興に向けてがんばる決意を伝えてもらった。2011年はソーシャルメディア元年と呼ばれた。
看護にとってソーシャルメディアの登場はどのような変化を与えているのであろうか。ソーシャルメディアとは,基本的にオープンに誰もが参加できて,そこでつながりができていくメディア(例:Facebook,Twitter,LINE,mixi,Google+,Pinterest,GREE,モバゲータウン,LinkedIn,YouTube,ニコニコ動画,Q&Aサイト,ブログ,掲示板,口コミサイトなど)のことである3)。ソーシャルメディアを含めて,いつでもどこでも誰とでもリアルタイムに情報を共有できるかたちで情報化が進行している。看護における情報を考えるため,基礎教育において看護情報学というタイトルのテキストも出版されてきている4)。本稿では,この情報の流れのなかで,新たに何を学ばなければならないかについて整理してみたい。
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.