特集 スマホ時代のリスク管理―情報リテラシーを育みトラブルを防ぐ
病院の情報セキュリティと学生への教育・指導
美代 賢吾
1
1東京大学医学部附属病院企画情報運営部
pp.560-566
発行日 2013年7月25日
Published Date 2013/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102436
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はじめに
病院の情報化が進み,看護師による患者の情報収集や確認,情報入力や記録をコンピュータシステムで行う病院が増えてきた。これらの病院では,引き継ぎや,患者情報の確認,看護計画立案,実施記録,処方や処置の実施確認などにコンピュータシステムを利用している。そのため,看護業務の流れが,従来の紙の記録や指示伝票を中心とした場合とは,大きく異なってきている。そこでの看護実習も,システムの利用を前提としたものとなり,学生を送り出す学校側にも実習の実施方法や注意点など,病院のシステム化に合わせた知識が求められている。
本稿では,まず,診療現場,看護現場にどのような変化が起こっているのか,病院のコンピュータシステムの利用の現状について簡単に紹介する。次に,そのような環境で実施する実習において必要となる,セキュリティや個人情報保護上の注意点について説明する。また,現在東大病院で受け入れている看護実習での,情報システムの利用手順,利用方法について具体例を示す。これらを踏まえたうえで,実習前の看護教員と病院スタッフが何を打ち合わせすべきか,そして看護実習生が,実習前に習得しておくべき情報リテラシーについて,病院側からの意見を述べる。
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