扉

　情報通信技術（ICT）は目まぐるしい速さで進歩を続け，学生を取り巻く環境は劇的に変化しています。例えば，若者を中心に広がりを見せるSNSでは，一個人が発信した言葉や写真などが一瞬にして全世界から閲覧可能になります。適切に利用すると大変有益なこの技術ですが，少し使い方を誤ると深刻な事態に発展する危険を孕んでいます。

　特に看護学生という身分であれば，差別や偏見を思わせる言動に対する社会の目は非常に厳しく，また，実習先で知り得た個人情報の取り扱いにも大きな責任が伴います。電子カルテの導入により，簡単に大量の個人情報にアクセスし得る状況が生まれていることも，便利な反面で情報にまつわるリスクを増大させる一因になっています。このように社会が変化している一方で，情報に関する学生の意識はなかなか向上せず，悪気のない行動で結果としてトラブルを引き起こしてしまう事例が後を絶ちません。