特別記事 書いて深まる看護観(1) エッセイに感じる学生の成長
広がる可能性
西岡 祐衣
1
1自衛隊中央病院高等看護学院
pp.121-122
発行日 2013年2月25日
Published Date 2013/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102314
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看護って何だろう。1年前,何も看護についてわからない私。そんな私の気持ちは今,まっすぐ看護に向かって突き進んでいる。では,この1年で何が私を変えたのか。
それは,9月のこと。3年生と行くオリエンテーション実習。私にとっては初めて実際の患者さんに接して,ケアを行う実習での出来事であった。先輩と共に受け持たせていただいた患者さん,A氏は,癌で終末期にあるおばあさん。そして,仙骨部に褥瘡があり,座位をとるのが困難であった。ある日,A氏は言った。「どうせ治らないんだから,死んだっていいんだよ」。私は何も言えなかった。何を言えばいいのか,どう励ましたところで私が病気を治せるわけではない。頭が真っ白になって,先輩がどう対応していたかも覚えていない。
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