連載 学生の目 教員のまなざし・16
この笑みがこぼれるまで
高岡 哲子
1
1北海道文教大学人間科学部看護学科
pp.255,282
発行日 2012年4月25日
Published Date 2012/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102040
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3年生までの彼らのカンファレンスでの関心は「どう進行するのが正解なのか?」「ちゃんとした意見が言えるのか?」であった。このため体裁に気をとられてディスカッションはかみ合わず,終了後は暗い気持ちになって,カンファレンスへの苦手意識を強くしていた。が,4年生になると学生全員が「受け持ち患者に対する適切な援助」に関心をもち,自らの受け持ち患者以外の看護に対しても関心が向けられるようになる。そして,日頃から積極的に学生同士でディスカッションするようになる。こうなるとカンファレンスも活発になり,参加者全員がテーマに沿った内容で盛り上がれる。
今彼らはカンファレンスに対する苦手意識を克服し,自然と笑みがこぼれ,目も輝いてきている。歩みは遅くてもこれだけの成長をみせられると,3年生までの停滞も,成長の一過程として受け止めてよいのかもしれないと思わされる。
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