特集 私はこうして学生と向き合ってきた─日々出会うさまざまな悩み
学内講義における教育・学習編
講義で想像を絶する学生の理解状況に遭遇したとき
高島 尚美
1
1東京慈恵会医科大学医学部看護学科
pp.90-92
発行日 2012年2月25日
Published Date 2012/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101985
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お悩み ある日の授業で,急性心筋梗塞で経皮的冠動脈形成術を受けた患者のビデオ視聴をしたあとで,その病態生理学的メカニズムや必要な看護について教授をしようと取り組んでいた。急性心不全の原因となる疾患を学生に質問していったが答えることができなかったので「さっきのビデオの方はどんな病気でしたか?」と質問をしたら,「……(首をかしげたまま固まる)」。まわりの学生に聞いたら「高脂血症!」「糖尿病!」という元気な答えが返ってきた。ビデオでは「うっ!」と言って苦しがる熟年男性が治療で回復し,リハビリテーションする様子までが描かれていたのに,「なぜっ!なんでそれがわからないの?その前提で授業していたのに!」と驚いた。
このように,こちらの想像を絶する理解の状況が発生してきている。ビデオを見ていなかったのか?何が学生のなかで起きているのかわからないときに,どのように対応し授業していけばよいのだろうか。
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