連載 「教え方」の本を読む!・5
「工場モデル」の教え方からの脱却―『効果10倍の〈教える〉技術 授業から企業研修まで』
朝倉 真弓
1
1横浜市病院協会看護専門学校
pp.398-402
発行日 2011年5月25日
Published Date 2011/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101761
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今までの「教え方」への疑問
私が今まで受けてきた「教え方」のほとんどは,教室の決められた席に座り,テキストを活用しながら教師の知識を一方的に説明されるものでした。また,「学び方」は,教師が大切だと強調した箇所を試験という評価に向かって,一生懸命暗記する方法でした。私自身,その学び方を実行し続けましたが,悩んだことや迷ったことはなく,むしろ,誰もがこの方法で学習することが当たり前であると感じていたしていたように思います。
そうして,看護師になり,先輩看護師から教わったことを後輩看護師へ教えるようになりました。しかし,自分自身では,テキストを活用しながら自分の言葉でわかりやすく教えているつもりでも,後輩看護師に伝わらないという場面が生じてきました。さらに,臨床指導者になり,学生に教えるようになると,少し教えると自分で考えられる学生と,何度も教えているのに記録が進んでいなかったり,違う方向に考えてしまったりする学生がいることがわかりました。そこで,私は,教員養成課程に,「このような学生には,こうやって教える」という教え方を学ぶために入学しました。しかし,教員養成課程ではそのような具体的な教え方ではなく,教え方のスキルを教わったように思います。
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