実践報告
看護の統合と実践実習のあり方の検討―東京医科歯科大学の学生による実習評価から
佐藤 可奈
1
,
深堀 浩樹
1
,
佐々木 吉子
1
,
柏倉 淑子
2
,
小牟田 智子
2
,
井上 智子
1
1東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科総合保健看護学専攻
2東京医科歯科大学医学部附属病院看護部
pp.208-213
発行日 2011年3月25日
Published Date 2011/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101705
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はじめに
看護を取り巻く環境の変化,看護基礎教育の内容と臨床現場で求められる能力の乖離,新卒看護師の離職といった現状への対応を目指して行われた2009(平成21)年4月の保健師助産師看護師学校養成所指定規則の改正では,教育内容の充実と学生の看護実践能力の強化が重視されている。「看護基礎教育の充実に関する検討会報告書」1)で掲げられた方策の一つには,看護の統合と実践実習が新たな実習科目として示された。この科目では,臨地実習において複数患者を受け持ち,一勤務帯を通した実習を行うこと,夜間の実習も可能な範囲で実践することなどが推奨され,臨床実践に近い形での知識・技術の統合を目指している。
本学における看護の統合と実践実習は「病院機能全体における看護職の果たす役割を理解すると共に,臨床実践の中で必要な基礎的な知識と技術とを総合的に体験し,看護実践能力を高める」ことを目的とした。本稿は,実習後に学生を対象として行った実習評価の調査結果を分析し,今後の看護の統合と実践実習のあり方を検討するための基礎資料とすることを目的とする。
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