特集 看護実践能力育成への取り組み
臨地実習における各領域共通の看護技術チェックリスト導入の試み―(東京医科歯科大学)
叶谷 由佳
1,2
,
小泉 仁子
3
,
日下 和代
3
,
千葉 由美
3
,
二宮 彩子
3
,
清水 清美
3
,
森田 久美子
3
,
岡光 基子
3
,
小谷野 康子
3
,
矢富 有見子
3
,
内堀 真弓
1
,
宮本 真巳
3
1前:東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科
2神戸市看護大学
3東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科
pp.1030-1039
発行日 2003年12月25日
Published Date 2003/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903558
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はじめに
2003年3月,「看護基礎教育における技術教育のあり方に関する検討会報告書」が出され,臨地実習において看護学生が行う基本的な看護技術の水準が具体的に示された1).昨年,2002年9月には,厚生労働省の「新たな看護のあり方に関する検討会の中間報告」を受けて,静脈注射は保健師助産師看護師法第5条に規定する診療の補助行為の範疇に入るとの新たな行政解釈が打ち出されている2).こうした動きを受けて,2003年5月に日本看護協会から公表された「静脈注射の実施に関する指針」では,基礎教育においてカリキュラム全体を通して静脈注射を安全に実施できるための教育強化の必要性が提言されている3).
このように,医療に対する国民のニーズの拡大,多様化に対応できる看護技術教育が,これまで以上に強く求められるようになってきている.しかし,大学における看護技術教育では学習到達目標が各領域別に設定されており,学生の視点にたって入学から卒業までに必要な看護技術を網羅的に経験できるようにという視点は希薄な現状がある.
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