連載 大学ジャーナリストの取材ノートから・10
「女子学生就活の苦難は過去のもの?」―統計で振り返る就職問題
石渡 嶺司
pp.899
発行日 2010年10月25日
Published Date 2010/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101589
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10月にPHP新書から『就活のしきたり』という新刊本を出します。これは学生1000人から85項目にわたってアンケートを集めて,その質問に答えていくというもの。その中で,「女性というだけでハンデになることはあるか?」という女子学生からの質問がありました。私にしてみれば新鮮な質問でした。なにしろ,今は男子学生より女子学生が優秀で就職が決まりやすいともっぱらの評判だからです。こうした質問が寄せられるということは過去に女子学生への差別があったからこそ。そこで文献を調べてみました。古いところだと,1957年の『婦人公論』12月号に,タイトルはその名も「女子大学生に閉された扉」との記事があり,これでもかと差別の実態が並んでいました。
「『男女同権,同一賃金,同一労働だからと高給を要求しながら,仕事になると高校卒なみ。女の大学出にはホトホト手をやいた』とおっしゃる経営者は多い」(記事本文より引用。以下,出典同じ)
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