理学療法草創期の証言
苦難の道
関川 博
pp.123
発行日 1994年2月15日
Published Date 1994/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103939
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1963年国立療養所東京病院附属リハビリテーション学院が開校した.1965年5月には,理学療法士の専門技術者の資格制度の確立を目的とした法律が国会において可決成立し,医学的リハビリテーションの中心となる重要な職種が誕生したのである.法案の成立を巡り,従来から従事してきた理学療法従事者は,1947年WHOの勧告によって,マツサージ師の問題点が指摘され,生活権を脅かされる重大な事態となり,問題解決のため協会を結成して,身分法獲得のために永年に亘り,法制度獲得への運動を続けていたので,理学療法士及び作業療法士法案が具体化されるや,理学療法従事者としての立場を主張し,多くの関係者の理解と協力を仰ぎ,経過措置としての処遇を訴え続けた.このため理学療法士及び作業療法士法の審議は,遅延したが,同法制度化の必要性から,衆参両院において,「1)経過措置としての試験については従来の経験を充分にしんしゃくして行なうこと.2)病院診療所以外において,理学療法又は作業療法を業としている者であっても医師の指示の下に,一定数以上の患者を扱っているものについては受験資格を付与すること.」の附帯条項が決議された.同付則に該当するものにとり,理学療法士国家試験受験の道が開かれたのである.
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