Scramble Zone
貧困が学歴を直撃している─准看学生からの声―51巻6号特集『学びは越境する』を読んで
宮崎 直子
pp.892
発行日 2010年10月25日
Published Date 2010/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101586
- 有料閲覧
- 文献概要
- サイト内被引用
私は都内4年制大学を卒業後,地元の准看護学校に入学した現在2年生です。大学時代の知人・友人と,現在の学友たちを比較し感じていたことを,まさに今回の特集で上野千鶴子さんが語られていました。それは,学歴の低い若い人たちが努力しても報われると感じていないこと,看護師の高学歴化が,経済的に余裕のない学生の切り捨てにつながることです。
私の通う准看学校は1学年30数名。高卒後すぐ入学したのは10名前後で,そのほとんどが地元のいわゆる底辺校と呼ばれる高校出身者です。最高齢は40代後半の男性,子持ちの主婦も6名います。年齢はバラバラですが,大卒の学歴を持つのは一桁です。入学後に驚いたのは彼ら,とくに若い人たちが「どうせだめだから」という言葉を頻繁に使うことです。それに加え,実習先の看護師や教師たちが「君たちどうせ馬鹿だろう」という態度で授業を行っていることに驚きました。
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.