特集 看護学生に本当に必要な教育学を探して
なぜ看護学生に「教育学」を教えるのか?―「教育学」の講義で看護学生に求めること――担当講師の立場から
須田 昌子
1
1北海道立旭川高等看護学院
pp.774-775
発行日 2010年9月25日
Published Date 2010/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101556
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テキストよりも,身近な話題から
私は,現在,北海道立旭川高等看護学院をはじめ,4校の看護を専門課程とする専修学校(以下,看護学校)において「教育学」の教鞭をとらせてもらっている。看護学校での「教育学」の講義をはじめて担当したのは,今から15年前,当時住んでいた広島市の広島赤十字看護専門学校においてであった。看護学校の一般教養科目としての「教育学」である。それは,教員を目指す学生に教える教職科目としての教育学系の科目とは趣を異にするものであり,できれば看護に何らかの形で役立つ「教育学」にしたいと思いながら講義をスタートした。
当時,学校側から指定された「教育学」のテキストを用いて,そのテキストに書かれてある項目の順番に従って講義を開始した。講義を進めていくにつれ,気づいたことがある。学生たちは,私がテキストに書かれてある内容を説明するために用意した新聞記事に対して,非常に興味を示してくれることである。毎日目にしている新聞の記事を通して学生たちが「教育学」を身近な問題として感じ始めてくれたのであろう。まず身近な問題として捉えることで,自分で考え,分析することにつながっていくのではないか。そのスタンスで今日も講義を進めている。
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