看護教育研究
看護学生の子どもイメージと形成要因―被養育体験・子どものかかわりとの関連
村上 京子
1
,
田頭 彩香
2
,
三澤 真希
2
,
辻野 久美子
1
,
沓脱 小枝子
1
1山口大学大学院医学系研究科保健学
2山口大学医学部附属病院
pp.576-582
発行日 2010年7月25日
Published Date 2010/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101502
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はじめに
看護では対象理解が重要であり,特に小児看護学では小児の成長・発達を理解しながら,子どもを全体的に捉えることが大切である。しかし,少子化,家族構造が変化するなかで,親となる前の看護学生が乳幼児と関わる機会は少なく,子どもへの苦手意識・戸惑いを持つ者があるのを実習指導で経験する。
子どもへの感情は,子どもへの働きかけ・子どもからの反応といった相互の関わりで育まれ1),また,自らの被養育体験の影響も考えられる2)。藤沼らは,学生の子どもイメージと被養育体験との関連を調査したところ,その関連は認められなかったが,子どもが嫌いな学生は子どもへの興味・関心が低く,養育環境は過保護・過干渉・統制傾向にあったとしている2)。しかし,学生の子どもイメージの形成について,子どもとの接触体験,学生自身の被養育体験など多角的にみた調査は少ない。
そこで,看護学生の「子ども」に対するイメージとそれを形成する要因として被養育体験,子どもとの接触経験などの関連を明らかにする目的で調査を行った。本研究により,学生の子どもイメージを考慮した効果的な実習指導について検討したい。なお,小児看護学実習の対象患児として乳幼児を受け持つことが多いため,「子ども」とは就学前の乳幼児(0~6歳)とした。
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