特集 看護倫理を教育のベースラインに
医療現場で起きる「倫理」問題―看護師と他職種の立場を整理して
斎藤 信也
1
1岡山大学大学院保健学研究科看護学分野
pp.274-278
発行日 2010年4月25日
Published Date 2010/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101436
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はじめに
本稿の役割は,医療現場で生じる「倫理」問題について,さまざまな立場を整理することにある。幸い(?)筆者は,臨床医かつ看護教育機関の教員であるという微妙なポジションにある。他の寄稿者は,看護職という立場から看護倫理について存分に論じられると思うので,まずここでは,そこからやや視点をずらし,現在の医療では避けて通れない他の職種との協働の場で起きてくる倫理問題にフォーカスを絞りたい。
わかりやすく言えば,看護の中では通じる言葉が,医療チーム内ではスムーズに届かなくなる問題について論じることを目的としている。同時にそれが看護教育の本質に関係しているということが読者に伝われば,筆者の喜びとするところである。
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