看護教育研究
男性患者の陰部洗浄におけるセクシュアリティに関する教育の現状と課題
水野 昌子
1
,
福田 博美
2
1公立瀬戸旭看護専門学校
2愛知教育大学教育学部養護教育講座
pp.134-139
発行日 2010年2月25日
Published Date 2010/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101403
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はじめに
厚生労働省の示している「臨地実習において看護学生が行う基本的な看護技術の水準」1)の項目として陰部ケアは水準1(教員や看護師の助言・指導により学生が単独で実施できるもの)となっており,看護基礎教育において陰部ケアの技術を修得することは重要であると考える。陰部ケアのなかでも陰部洗浄は,清潔技術として臨地実習でほとんどの学生が実習する項目である。しかし,陰部洗浄は清潔の意味だけでなく,性的な意味合いをもつ看護行為でもあり2, 3),学生にとって,臨地実習で実施することは大きなストレスになっていることから,教員や臨床指導者の関わり方が問われている4)。
わが国の看護職員養成に関するカリキュラムにおいては,1997年の保健師助産師看護師学校養成所指定規則の改正により精神保健から性の学習が外され,各専門領域で性に関する学習を編成することが示されてきた5)。しかし,水野ら6)の調査によると,基礎看護学領域におけるセクシュアリティに関する教育は少なかった。そこで,本研究では,看護師側のセクシュアリティを取り上げ,看護師に学生時代および現在までの陰部洗浄をどうとらえ実施したかを調査した。陰部洗浄におけるセクシュアリティについて調査することは,看護基礎教育におけるセクシュアリティに関する教育の基礎資料になると考えた。
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