連載 なぜから始まる授業 基礎看護技術はなぜそうなのか?・1【新連載】
ベッドメーキングと表彰式
若村 智子
1
1京都大学大学院医学研究科
pp.64-68
発行日 2009年1月25日
Published Date 2009/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101113
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現在私は,大学の1,2回生を対象に,いわゆる基礎看護技術を教えている。基礎看護技術を教え始めて,助手として3年,講師3年,准教授として5年目になった。なぜ基礎看護技術を教えることになったのかと考えると,ほんの偶然がきっかけであったようにも思う。短大の助手に初めてなったときもそうであった。手術室や外科の臨床経験があったので,短大では急性期の病院実習を主に担当していた。その後,大学では,生活援助の講座の助手として着任したが,人と人のつながりの結果でそのようになったように思える。そこで勤務したことが看護教育や技術教育について考えるきっかけや経験になり,今に至っている。
本学での技術教育の教え方は,他の学校と比べて根本的に違うようである。与えられている45時間で生活援助技術から,注射や浣腸までの治療援助技術までを教える。厚労省から「看護師教育の技術項目の卒業時到達度」が示されているが,疾患理解が進まないと教育できない技術項目は除外して,生活援助,治療援助に関係するかなりの技術項目を演習室内で体験させている。しかし,さらに必要なトレーニングに充てる時間がない。学生たちは種々の教養科目を履修し散らばってしまうため,全員を集められるような,いわゆるアキコマも期待できない。それをカバーするために,工夫しながら教育を行っている。この機会に,現在行っている看護技術教育について自分なりに振り返ってみる。その振り返りが読んでくださる方の何らかのヒントになれば,幸いである。
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