連載 医療と社会 ブックガイド・89
『死ぬ権利 カレン・クインラン事件と生命倫理の転回』その3
立岩 真也
1
1立命館大学大学院先端総合学術研究科
pp.1164-1165
発行日 2008年12月25日
Published Date 2008/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101091
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香川はカレン・クインラン事件の過程を詳しく跡付けるとともに,この事件に関わりながら,行く道にさまざまがありえた生命倫理(学)が,大きくは1つの方向に収斂するようになったと述べる。
「問題は医療技術のコントロールからいかにして個人の死を奪還するかという点にあった。このテーマに対して,米国の生命倫理は個人の自律を徹底的に主張することで,事例の個別的な事情を救い上げようとした」(p.360)
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