文献紹介
局所的ザルコイド組織反応/クロロクイン網膜症の予防
pp.125,168
発行日 1963年2月1日
Published Date 1963/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203438
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ザルコイドージスの診断は臨床的および放射線学的所見に加えて組織学的所見を基として下さるべきで,組織学的変化のみでは不確かである。ザルコイド組織反応は新生物への反応,異物反応および慢性炎症性変化,たとえば結核,癩,真菌症,猫かき傷症などにおいても発生する。著者らは,ザルコイド組織所見ありとしてザルコイドージス・クリニックに送られたる36名の患者を検索した。ザルコイド組織の証された部位は皮膚11例,リンパ節10例,肝7例,小腸粘膜4例,筋3例,甲状腺1例であつた。これらの患者に臨床的並に放射線学的検査を行つたところ全身性ザルコイドージスを証したものは1例もなかつた。Kveim反応を施行した31例はすべて陰性を示した。理学的検査,胸部X線像およびKveim反応が局所的肉芽腫性反応をザルコイドージスから鑑別する最良の方法であると判明した。Mantoux反応,血清グロブリン測定は重要ではなかつた。本研究の患者において発生した局所的肉芽腫性反応は癌,細網症,嚢腫,外傷,感染等種々の変化に対する反応であつた。
(Anderson,R.et al.: Local Sarcoid-tissue reactions,Lan-cet,i,1211,1962)
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