看護教育研究
看護系大学教育の職業的レリバンス―看護師の職務能力と継続教育・学習ニーズとの関連から
古賀 節子
1
1首都大学東京大学院 健康科学研究科看護科学系 後期博士課程
pp.1044-1051
発行日 2008年11月25日
Published Date 2008/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101067
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はじめに
日本の看護師は,保健師助産師看護師法第5条により国家資格を必要とする。しかし,その基礎教育課程は,同一の国家資格でありながら看護系大学や看護専門学校を中心に2007年現在13種類があり,戦後の社会変動に伴う看護師の需要と供給の歴史的背景と看護師人材確保政策という複雑な背景を持っている。1991年わずか11校であった看護系大学は2007年度には159校で入学定員数は1万人を越え,専門学校は統廃合されている現状がある。このような中,看護師に必要な職務能力はどのように獲得されキャリア形成されているのであろうか。看護教育,看護管理の側面からは重要な問題である。
本稿では,看護師が自分の職務能力をどのように評価しているのかを横断的調査で経験年数ごとに把握し,看護系大学卒業看護師と看護専門学校卒業看護師との相違,継続教育・学習ニーズとの関連を明らかにすることで,大学教育の職業的レリバンス(妥当性,関連性)と課題を明らかにする。
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