特集 介護保険と看護
看護・介護の職務と資格
堀 和子
1
1頌徳会日野病院病棟
pp.309-310
発行日 2000年4月1日
Published Date 2000/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902964
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従前より医療と看護(ここでは介護はこの言葉に含まれていたとする)に画然とした役割分担があったわけではない.治療・診療・看護・介護など,低下したQOL (ADLも含む)を元に戻す行為を呼ぶ言葉は数多く存在するが,いずれにも定義はない.医療技術革新に伴って,各専門技術職の役割分担が明確になってきた一方で,権限委譲が進み逆に区分が曖昧になってきたものもある.今回のテーマである「看護と介護」について区画線引をしろといわれると「極めて難しい」と答えるしかない.
2000年4月1日より施行される介護保険では,「人員基準」でもって専門職種の配置義務が課せられたが,それら専門職がいかなる職務をこなすべきかについては,一切語られていない.むしろ,共働という福祉の言葉が導入されたことで象徴されるように,「チームケア」という考え方でもって,線引きをあえて曖昧にしようという方向性がうかがわれる.
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