連載 SPOTLIGHTS・6
“いのちの授業”をあきらめない―山田泉さん
本誌編集室
pp.991-993
発行日 2008年11月25日
Published Date 2008/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101052
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「天職」に出会った高3の冬
─山田さんが勤務先の中学校で開講された“いのちの授業”では,当時の首相(村山富市氏)や永六輔氏,またさまざまな方面からメッセージを携えたゲストが登場して,それこそ生徒たちの一生に影響を及ぼすような総合学習の時間を提供されていました。そんな知るひとぞ知る大分の“カリスマ養護教諭”だった山田さんが,その天職を志望されたきっかけとは?
山田 高3のときに初めて,小中学生のときもほとんど入ったことがなかった「保健室」というところに風邪気味だったので訪ねたんですよ。冬の寒い日で―当時のふつうの教室って空調が効いてなくて寒いじゃないですか。なのに,保健室に行ったらとっても暖かくて。ドアをパッと開けた瞬間にカッコいい男子が3,4人いて,若い養護教諭がいておしゃべりしていて。教室ではみんな寒くて難しい授業を受けているのに,学校の中にこんなところがあったんだ!と思って,いいなあここ!保健の先生の仕事っていいじゃん(笑)と思ったのが1つのきっかけですね。ちょうどそんなときに,友達が進路指導の教師から「養護教諭の採用はこれから増えるけど,養護教諭にならないか」という誘いを受けていたのを聞いて。私は勉強を全然してなかったので直接には声がかからなくて,で,その友人は「私は向いてない」と誘いを断ったという噂を聞いて,じゃあ私がなってみたいわと思って,その先生に「養護教諭にどうしたらなれますか」と聞きに行ったんですね。
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