研究・調査・実践
看護実践に潜在している継続教育ニーズ
花田 妙子
1
,
木場 冨喜
2
1東京医科歯科大学医学部保健衛生学科
2熊本大学教育学部看護学科
pp.310-316
発行日 1991年9月15日
Published Date 1991/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901843
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I はじめに
看護における継続教育の主目的は,患者がよりよい看護をうけることができるように,看護の専門性とその実践力が向上することにある.継続教育についてはこれまでにも多くの問題が提起され強調されてきた1~12).この継続教育が効果的に実施されるためには,看護の実践者が教育内容として何を求めているかを知ることが重要である.しかし教育的視点にたった実践者の基本的ニーズ,あるいは看護の専門性におけるニーズの位置づけ等についての検討は必ずしも十分とは言えない.私たちは現状における看護実践の中に潜在している教育ニーズを明らかにし,継続教育の方向を探るために調査を実施してきた.
看護実践の中に潜在しているニーズを看護婦が日常患者の援助において直面する困難としてとらえた.その困難は多様であったが,精神面の援助に関することが最も多く頻度も高いことがわかった.さらに,それらの困難は看護基礎教育による相違,勤務年数あるいは勤務場所等の背景により異なるとともに,継続教育の内容として何を求めているかなどについて知見が得られたので報告する.
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