特集 「看護教育の大学化」提言のインパクト─実現に向けての道程を探る
データから見る看護専門学校の将来展望―看護教育大学化に向けての課題
柴田 淑子
1
1社会保険横浜看護専門学校教務部
pp.916-921
発行日 2008年10月25日
Published Date 2008/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101038
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はじめに
高度専門医療の進展に対応した質の高い看護人材の養成は,養成機関を取り巻く社会情勢とともに急激に変化している。看護基礎教育に求められていることは現在の医療の現場に対応できる基礎的な看護実践能力を習得した学生の育成である。
厚生労働省は第9回「看護基礎教育のありかたに関する懇談会」を開催し,国民のニーズと近年の大学進学志向を踏まえた看護職確保の観点から,「将来的には,看護基礎教育の延長を図り,大学での基礎教育に移行していく必要がある」とした論点整理(案)が示した。
看護専門学校はすでに,少子化・高学歴志向の若者気質・看護大学・看護短期大学の増設にともない受験者数は減少し,学生の質と量を確保しながらの円滑な学校運営は年々困難になっている。今後看護教育4年制大学化に進むなか,どのような道を模索するのか,運命的岐路に立たされている。この難問に対して,社会情勢・教育背景の推移・受験者のニーズの多様性から,看護専門学校の将来を展望する。
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