連載 SPOTLIGHTS・5
自らの経験を踏まえ,DVやハラスメントによる心の傷をサポートする―中島幸子さん
本誌編集室
pp.899-901
発行日 2008年10月25日
Published Date 2008/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101034
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ゆがんだパートナーシップがDVを生み出す
─中島さんの活動の多くを占めるDomestic Violence(以下,DV)ですが,そもそもDVが起こる背景はどこにあると思われますか。
中島 レジリエンスでは,男女ということ以前に人間同士の関係としてとらえています。
パートナーである相手よりも自分のほうが力がある,権力があるという意識をもってしまった人が,自分のほうが権力があるのだから相手は言うことを聞くべきだと考えるようになり,何らかの暴力によって相手をコントロールしようとします。簡単にいえば,パワーとコントロールという要素がゆがんで存在しているときに,DVが発生すると考えています。身体的なものであれ精神的なものであれ,暴力をふるわれると人はその人の言うことを聞くようになり,それによって支配が生まれるのです。
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